3回目の今回は「定款の認証」について「電子定款での費用削減方法」も含め解説します。
繰り返しになりますが、法人設立の作業はポイントを押さえて、順番に実施していけば誰にでも出来ることです。
一つづつクリアして行きましょう。
この記事を読んで欲しい人
悩んでいる人
定款は作ったけど、定款の認証ってどうすれば良いの?
電子定款にすると費用が安くなると聞いたけど、具体的にはどうすれば良いの?
今回の結論
・電子定款で40,000円節約
・電子定款への変換・電子署名は司法書士に依頼
・公証役場は事前予約を
定款の認証
定款を作成したら、公証役場で認証してもらいます。
認証とは「ある行為または文書が正当な手続・方式でなされたことを公の機関が証明すること」とのことです。
簡単に言うと作成した定款に問題がないことを公証役場で証明してもらうことです。
この時、書面ではなく「電子定款」で認証してもらうと印紙代を節約することが出来ます。
電子定款で40,000円節約
定款認証の費用
定款認証には以下のような費用が掛かります。
- 認証手数料・・・・・50,000円
- 謄本交付手数料・・・250円/ページ
- 印紙代・・・・・・・40,000円
この金額、皆さんはどう思われますか?
私は、正直高いと思いました。
ここで注目して欲しいのが「印紙代」です。
定款を紙ではなく電子定款にすることで、この印紙代を0円にすることが出来ます。
印紙代は作成される文書(書面)に課せられる税金(印紙税)で、電子文書は印紙税の対象外となるためです。
電子定款とは
電子化された定款のことです。
以前は書面による定款のみでしたが、現在はPDF化された電子定款が認められるようになりました。
電子定款のメリットは、印紙代:40,000円が掛からないことです。
電子定款への変換・電子署名は司法書士に依頼
大きなメリットのある電子定款ですがデメリットもあります。
それは、電子定款を作成するために環境を整えなければいけないことです。
電子定款作成に必要なもの
電子定款を作成するには少なくとも次にあげるソフトウェアやハードウェア、カードを揃えPCに環境を構築する必要があります。
- PDF作成ソフト
- カードリーダー
- マイナンバーカード(住民基本台帳カード)
- PDF署名プラグイン
既に持っていれば良いのですが、新たに揃えようとすると費用も時間も掛かります。
※マイナンバーカードは発行までに1ヶ月程度掛かります。
※PDF署名プラグインは無料ですが、インストールは必要です。
なので、この作業だけは費用・時間を節約できるため、外注することをお勧めします。
私はマイナンバーの発行を待つ時間が惜しかったので友人の司法書士にお願いしました。費用は1万円強でした。
ネット上にもサービスとして安価で請け負っている事務所も多くあります。
電子定款の作成手順
この部分は司法書士にお願いしたので流れとポイントを中心に簡単に記載します。
- 公証人に定款のチェックを依頼
不備があると修正が必要となり認証手続きに時間が掛かってしまいます。
必ず事前に確認してもらいましょう。
- 電子定款作成・電子署名
公証人の確認が済んでから、電子定款を作成電子署名を行います。
- 電子定款の送付
署名した電子定款を公証人に送付します。
- 実質的支配者になるべき者の申告書の送付
反社会的勢力についてのチェックが厳しくなり、提出が必要になりました。
- 受領日時の予約
公証人も人手不足で忙しいようです。
お互いの効率のため、予約してから訪問しましょう。
体験談
前述の通り、私はこの工程は司法書士の友人に依頼しました。
長い付き合いで信頼していましたが、公証人や公証役場のスタッフも感心するほど完璧な仕事でした。プロに頼んで正解でした。
公証人はかなり忙しいようで、事前確認を依頼した際は2日待つことになってしまいました。
早めにコンタクトし、予定を確保しておくことをお勧めします。
また、法務局の雛型を使っていましたが、改行や段落など内容以外のかなり細かい部分まで指摘されました。
事前確認は必ずしてもらいましょう。
定款の認証と受領
予約した日時に公証役場へ行き、認証された定款など必要な書類を受取ります。
当日、持参するものは以下の通りです(電子定款の場合)。
- 電子定款をプリントアウトしたもの2通
- 発起人の印鑑証明(発起人が複数人の時は全員分)
- 空のCD-R
- 個人の実印
- 本人確認書類
- 手数料
- 委任状
司法書士が申請し私が受領に行ったため、司法書士から私への委任状を持参しました。
公証役場では「謄本交付請求書」を記入、提出します。
謄本は「法務局への申請用」と「自身の保管用」の2部を申請しましょう。
認証が終わると公証人と書類を確認、問題がなければ支払いを済ませ、以下の必要書類を受領します。
- CD-R(認証済みの電子定款)
- 電子定款の同一情報(紙の謄本):2部
- 申告受理及び認証証明書
- 手数料の領収書
まとめ
①定款は電子定款を選択しましょう。
印紙代:40,000円を節約できます。
②電子定款の作成はプロに外注しましょう。
自分で行うと環境準備の費用や手間が掛かり印紙代節約のメリットがありません。
③早めに公証人のスケジュールを押さえましょう。
定款の認証は公証人に依頼しなければ先に進めません。
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