8月末にベトナム(ハノイ)に渡航しました。
思えば昨年3月、渡航日前日に入国書類にPCR検査結果(陰性証明)が追加されてしまい渡航を断念。
その後、日本でやらなければならないことが色々とあり、最終的に今回の渡航を決断したのが6月初旬。そこから3ヶ月弱、日越のコロナウィルス感染状況は共に悪化し、緊急事態宣言の東京からロックダウンのハノイへ渡航することになってしまいました。
色々と複雑な手続きなどありましたので備忘録の意味で記事にしておきます。これからベトナムに渡航したいと思っている方々の参考になればとも思っています。
※ベトナムの入国制限や入国時の隔離期間、交通機関の規制などは、コロナウィルスの感染状況などにより変更されている場合があります。
必ず自身で 在ベトナム日本大使館などの最新状況を確認するようにしてください。
参考:在ベトナム日本大使館HP:ベトナムへの入国を希望する日本人の皆さまへ
ポイントまとめ
急いでいる人のために最初にポイントを列挙しておきます。
- 渡航できるのは、現地法人が招聘する人
(外交官などは判りませんが、仕事で行く方は現地法人の協力がないと無理です) - 入国申請は旅行会社(業者)に依頼
- 必要書類は、招聘する企業と渡航者本人が準備 + 業者作成書類にベトナム法人代表が署名・捺印
- VISAまたはTRCを持っていると入国許可申請から承認までの流れが比較的スムーズ(持っていない場合は時間が掛かる)
- 新型コロナウィルス感染症予防接種証明書(ワクチンパスポート)の提出で隔離期間を2週間に短縮可(ホテルなど決められた施設での強制隔離1週間+自主隔離1週間)
- 医療申告(オンライン申告)時にPCR検査結果(陰性証明)の画像をアップしておくと入国審査時に紙での提示が不要だった(アップしていない人は要求されていた)
- 成田空港への移動が意外と大変(緊急事態宣言下での交通規制は要チェック)
- ノイバイ空港から隔離ホテルまでの移動は、空港での待ち時間は長いが指定された車に乗るだけ
- ホテルでのPCR検査は2回
- ホテル(強制隔離場所)から自宅(自主隔離場所)への移動は移動先の保健局担当員が追跡チェック
- 自主隔離期間中の規定は隔離場所が所在する地区の保健局により異なる
航空便の状況
日系の航空会社では、JALとANAがそれぞれ特別便を運航しています。
かなり割高ですが、今はこれを利用するのが無難だと思います。
リンクを貼っておきますので参考にしてください。
その他にベトナム大使館やベトナム企業(業界団体)などが飛ばしている便もあるようです。
現地法人によると費用面では大分安いようなのですが、以下の理由で日本人にはかなりハードルが高いと感じました。
- 何時飛ぶか判らない。
「次の便は決まっていない」からの「3日前に連絡が来て準備出来ず」みたいな感じ。 - ベトナム人優先
これは理解できます。帰れなくて困っている方多いですからね。
渡航手続き(入国許可申請・航空券・隔離ホテル手配など)
迷わず、日本語対応可能な日系の業者に依頼しました。
現地法人が頑張ってくれれば業者に頼まなくても何とかなるかもしれませんが、審査がかなり厳しくなっているのと、航空券、ホテルも一括で依頼出来るためです。
申込後に必要書類を送付し審査結果を待つというごく普通の手続きですが、審査時間が長かったです。
申込時の登録項目、提出書類などを記載しておきます。
業者により違いがあるかもしれませんが参考にしてください。
- 旅行者指定のフォームより申込(情報登録)
項目は次のようなものでしたが、ベトナム語対応が必要な項目があったため、ベトナム人のサポートが必要でした。
・フライト座席クラス
・氏名(日本語)
・氏名(英語)パスポート記載通りに記載
・性別
・生年月日
・パスポート番号
・パスポート発行年月日
・パスポート有効期限満了日
・TRC又はビザ番号
・TRC又はビザの有効期限
・ベトナムの所属企業名(日本語または英語)
・ベトナムの所属企業名(税務登記上の正式名称・ベトナム語)
・ベトナム法人における役職(日本語または英語)
・ベトナム法人における役職(ベトナム語)
・ベトナムでの勤務地(省または市・ベトナム語)
・ベトナムでの勤務地詳細(区、通り名、番地等・ベトナム語)
・本人携帯番号(日本)
・本人携帯番号(ベトナム)
・本人メールアドレス
・ベトナム側本件ベトナム人担当者氏名
・ベトナム側本件ベトナム人担当者電話番号
・ベトナム側本件ベトナム人担当者メールアドレス
・本件日本人担当者氏名
・本件日本人担当者電話番号
・本件日本人担当者メールアドレス - 書類提出
私は既にTRCを所持していたので①~⑦でした。
VISA・TRCがない方は②③は提出不要ですが、⑧が必要です。
①パスポート 顔写真ページ
②労働許可証(Work Permit)
③レジデンスカード(TRC)両面
④企業登録証明書(ERC)
⑤投資登録証明書(IRC)・・なければ提出不要
⑥新型コロナウィルス感染症予防接種証明書(ワクチンパスポート)・・なければ提出不要
ベトナムに入国する時点で「2回目のワクチン接種から14日以上経過している人」が提出することで隔離期間半減
⑦ベトナム入国に際しての同意書・・・業者の免責への同意
⑧外務省公証済みの大学卒業証明書(高卒/専門卒の方はExpert Certificate) - ベトナム各機関向け申請資料作成・申請
申請資料は業者が作成しますが、ベトナム法人の方で申請資料への企業代表者署名・捺印が必要です。 - 審査進捗及び審査結果の連絡
審査は「①労働局 → ②Ban chi dao(Covid19委員会) → ③保険局 → ④入国管理局」の順序で行われます。
業者の話では、時間を要するのは①労働局とのことで、ここを通過すれば後は比較的短い期間で許可が出るようです。
また、その際ワークパーミット・TRCがあると①労働局の承認も比較的スムーズとのことです。
ちなみに私の場合ですが、6月中旬:業者へ申込・書類送付 → 6月末:申請 → 7月中旬:③保険局まで通過との連絡 → 8月初:④入国管理局も通過、予定の便で入国目処立っとの連絡のような感じでした。 - 入国前PCR検査
入国日から3日前以内に受診し、陰性証明書を受領しておく必要があります。
※3日前以内の例
入国が7月5日の場合、PCR検査は7月2日(入国日の3日前)、3日(同2日前)、4日(同1日前)又は5日(入国当日)のいずれかに受診
PCR検査の要件については在ベトナム日本大使館のHPで確認してください。 - 医療申告
入国前24時間以内にオンラインで医療申告を行うことが義務付けられています。
申告のURLとマニュアルのリンクを貼っておきます。
ちなみにマニュアルは少し古いようですが、1項目づつ対応して行けば問題なく入力は出来ると思います。
・申告ページ
・マニュアル
ここでのポイントは2つ!
①PCR検査結果とワクチン接種証明書の画像をアップしておく。
申請項目にPCR検査結果とワクチン接種証明書の画像をアップするところがあります。
アップしておくと、アップされた画像を確認するためか、紙を要求されませんでした。
逆にアップしてなかった人は紙を要求され「なんで俺だけ?」みたいになってました。
但し、担当者により対応が違うかもしれません。
アップしたのに紙を要求されたとしても怒らないでくださいね。
②申請完了時に表示されるQRコードをスクショorプリント
画面の指示に従って、スクリーンショットを撮るか、プリントしておいてください。
ベトナム入国時にQRコードを読み取り機に読み込ませる必要があります。
自宅から成田空港まで
今回少し大変だったのが、自宅から成田空港までの移動でした。
理由は緊急事態宣言で交通機関に規制が掛かっていたことで、重い荷物を何時もより遠くまで運ばなかったためです。
スーツケースは転がせるとはいえ、段差を乗り越えながら都内まで出て、バス停にたどり着くのはとても大変でした。
- 交通機関がサービスを縮小していた。
緊急事態宣言なので仕方がないのですが、東京から成田空港行きのリムジンバスが23区内の限られたバス停からしか運航されていませんでした。
通常なら最寄りのバス停まで行けば、荷物を預けて後は座っていれば出発ロビーなんですが。。。 - 荷物が何時もの倍程度だった。
ハノイがロックダウン中と言うことで食料を中心に荷物が思った以上になってしまいました。
何時も持ち物を最小にしている反動もあり、バスに乗るまでにへとへとになってしまいました(笑) - その他の交通機関の状況
スカイライナーは普通に運行しているようでしたが、成田エクスプレスは朝夕のみ運行になっていました。
成田空港の様子
皆さん、ご想像の通りガラガラでした。
出国前エリアにある飲食店、お土産物店などは数店舗しか空いていませんでした。
お土産など必要な方は空港に来る前に購入することをお勧めします。
逆に出国後の免税店はそれなりに開いていたように思います。
ただ、私は出国後直ぐにラウンジに行ってしまったので横目に見る程度しか確認していませんので、必要な方は自身で事前に確認してください。
機内の様子
こちらも空いていました。
隣の席も空いていたのでゆったりくつろげました。
ベトナム入国
入国手続きは次の通りで、通常時と違うのは1、2、5です。
1.医療申告&PCR検査結果(陰性証明書)の確認
2.VISA・TRCの確認またはVISAの取得
3.入国審査
4.ターンテーブルで預けていた荷物の受取
5.呼ばれるまで待期 → 呼ばれたら指定の車に乗り隔離ホテルへ移動
ではポイントを見て行きましょう。
- 医療申告&PCR検査結果(陰性証明書)の確認
申告完了時に表示されるQRコード(画像キャプチャやプリントしたもの)をスキャナに読み込ませると担当者のディスプレイに内容が表示され、チェックされます。
前述の通り申告時にPCR検査結果をアップしておくと画面に表示されてものをチェックするのでスムーズに進むようです。
私はPCR検査結果の証明書(紙)を握りしめていましたが、提示の要求はありませんでした。 - VISA・TRCの確認またはVISAの取得
旅行会社や航空会社から渡された説明資料(部分的に画像を載せておきました)では、VISAがない人とVISA・TRCのある人で分かれて並ぶよう記載されていましたが、実際は全員一列で順番待ちでした。
日本人の案内係の方が誘導してくれたので混乱はなかったです。
人が多いわけでもなく、一人ひとりもそれほど時間も掛からず10分程度で通過できました。 - 入国審査
こちらはいたって普通でした。 - ターンテーブルで預けていた荷物の受取
こちらにも日本人の案内係の方がおり、荷物を受取った人から椅子に座って待つよう指示されました。 - 呼ばれるまで待期 → 呼ばれたら指定の車に乗り隔離ホテルへ移動
何時もは正面の出口から空港の建物を出てタクシー乗り場などへ行きますが、今は正面出口に向かって右側から出るようになっています。
ターンテーブルの荷物を受取った時、建物右側には先に到着したらしいベトナム人の完全防護の集団が順番を待っていました。
待つこと40分程度、ベトナム人たちを捌き切ると日本人の番となり呼ばれた人から指定された車まで移動となりました。
ちなみにベトナム人は全員が防護服を着ていましたが、これは隔離施設毎の対応らしく、日本人のなかにも配られて着用している人もいました。
※他の方の体験談でスーツケースなどを消毒液でびしょびしょにされたというのを見ていたのですが、この時は消毒されることはありませんでした。
空港から隔離ホテルへ
指定された車に乗って移動します。
感染防止のためか、荷物は自分で積み込むように言われ皆さん苦労されていました。
籠城のため荷物が多いですからね。
かく言う私も積み込みはかなりきつかったです(笑)
ホテルに着くと、ホテルのスタッフに荷物は良いからチェックインしろと言われ、チェックイン。
荷物はその間にスタッフがホテル内まで運んでくれました。
手続きが終わった人から自分の荷物と共に部屋に移動です。
で、この時スーツケースがやけに濡れてるなと思ったのですが、スタッフ曰く「消毒液だから心配ない。」だそうで。。。
結局どこかでやられると言うことを悟りました。
隔離ホテルでの様子など
様子と言っても自分の部屋以外に出たのはチェックインとチェックアウト、その他は2回のPCR検査の時に検査場所に行っただけです。
しかし、なんだかんだとやることは多かったです。
- 隔離期間について
ホテルでの強制隔離は1週間でした(正確には8泊)
ちなみに、最終的に全体として隔離期間は2週間(強制隔離1週間+自主隔離1週間)でしたが、申込時から大きな変更が2回もありました。
①申込時:4週間(強制隔離3週間+自主隔離1週間)
②07/14:4週間(強制隔離2週間+自主隔離2週間)
③08/16:2週間(強制隔離1週間+自主隔離1週間)
*入国時点で2回目のワクチン接種から14日以上経過し、接種証明書を所持していること。
コロナウィルス感染状況などにより今後も変更があるかもしれません。 - PCR検査
2回受けます。
1回目:2日目 日時と場所はチェックインのタイミングで指示されました。
2回目:8日目 前日ホテルから電話で実施時間と場所の連絡がありました。
時間になったら検査場所に移動し検査を受けました。
旅行社のメールには結果は翌日に出ると記載されていましたが1回目の結果は知らされることはなく、2回目の結果も自主隔離場所へ着いたタイミングで陰性証明書を渡されました。
「便りがないのは良い便り」と言うことですね(笑) - 誓約書の記載と署名
1回目のPCR検査時に用紙を渡され2回目のPCR検査時に回収されました。
内容は私は何月何日から何月何日まで強制隔離場所に滞在し、何月何日に自主隔離場所(住所を記載)に移動します。みたいな感じです。文書はベトナム語と英語併記 - 健康状態の確認
体温の記録
チェックインの時に毎日午前午後の2回体温を計って記録するよう言われ記録用紙が渡されます。ちなみに体温計は部屋にありました。
チェックアウトの際に回収され健康だったというエビデンスになるようです。
電話での確認
何日かおきに電話で体調はどうかと確認されました。(英語) - 自主隔離場所への移動準備
移動先の申告
チェックアウトの2日前にホテルスタッフに用紙を渡され、名前、移動先の住所、チェックイン日、チェックアウト日を記載しました。
この時、住所を詳しく書けと言われ苦労しました。
他の日本人で「何時もこれで通用している。これ以上は俺は知らん」と怒り出す方もいましたが、要は大きな通り、小さな通りなど全て書けと言うことでした。
車両の手配
ロックダウン中のため旅行社では車の手配が出来ないとのことで、①社有車を使う、②宿泊ホテルに依頼するの2択でした。
私は②を選択しました。 - チェックアウト
2回目のPCR検査で陰性が確認出来ると調整され、ホテルスタッフより電話で時間の連絡がありました。
手配した車代と移動に立ち会ってくれる(別の車でホテルから自主隔離場所まで追走)保健局担当者の費用を払って無事チェックアウトとなりました。
隔離ホテルから自主隔離場所への移動
車で移動するだけですので、至って普通です。
ポイントとしては、自主隔離場所に着いたタイミングで2回目PCR検査結果(陰性証明書)と強制隔離終了証明書を渡されますので必ず受取、保管するようにしてください。
ハノイ社会的隔離(ロックダウン)の状況など
これを書いている時点で私はまだ自主隔離中で自室から一歩も外に出っていません。
ですので、本当の状況は判らないですが、ロックダウンは9/21まで延長になってしまいました。
ホテルの窓や移動時の車窓から見たハノイは驚くほど交通量が少なく、活気なく見えました。
一刻も早く、コロナが収束し、何時もの活気あるハノイに戻ってくれることを願っています。
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